あえてめんどくさいプロセスにする必要がある理由

こんにちは

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

昨年、弊社の銀座経営者倶楽部に、

ホットヨガスタジオLAVAなどを経営されている、

鷲見貴彦会長をお招きしてご講演いただきました。

 

そのお話の中で、ヨガの瞑想を取り入れると

ビジネスにも凄くいい効果があるというお話を

具体的な売上と利益の推移とともにご講演いただき、

過去にこのメルマガでも紹介しています。

 

私も半分自己流でやってみてはいたのですが、

どうせやるならちゃんと習おうと思い、

瞑想を習うためのセミナーに参加してみました。

 

そのセミナーには数百人もの参加者がいて、

ホテルに丸々二日間缶詰になり携帯電話も預けて、

早朝から深夜まで、いろんなことをして、

とにかく瞑想に集中して取り組むという、

なかなか大掛かりな内容のものでした。

 

その結果、セミナーを受講した後は、

毎日5分の瞑想が本当の意味で習慣になって、

ずっと続けられるようになっています。

 

ですが、そこで習得した瞑想というのは、

別にそんなに難しいものではなくて、

その気になれば10分ぐらいで

教えることができるようなものなのです。

 

さらに、セミナー後に知ったのですが、

その瞑想の方法というのは、

YouTubeにも動画でアップされていて、

誰でも見ることができますし、

簡単に覚えて実践することができます。

 

じゃあ、二日間もホテルに缶詰めになって、

受講料を払って教えてもらう必要なんて

まったくなかったんじゃないか、

と思うかもしれませんね。

 

正直なところ、私も最初は、

丸々2日間はちょっとめんどくさいな、

要点だけささっと教えてくれたらいいのに、

と思っていたんです。

 

ただ、教えてもらった瞑想自体は

とてもいいものでしたから、

知人やお客様などにもYouTubeの動画を伝えて

やってみるように勧めてみました。

 

ところが、やり方自体はとても簡単で、

動画を見ただけで十分実践できるはずなのに、

私が動画を教えた人たちは誰一人として、

瞑想を習慣にできた人はいなかったのです。

 

逆に、私と同じセミナーに参加した人たちは、

私の知る限り、全員が瞑想が習慣になっています。

 

瞑想の方法自体はとても簡単で

誰でも実践できるものなのに、

一体何がこの差を生んでいるのか。

 

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実は、多くの場合、人間というのは、

めんどくさいなとか、苦労したなとか、

つらいと感じるプロセスを経て

手に入れたものを大切に思うんです。

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YouTubeの動画を見ただけで手軽に得られた

瞑想のやり方には価値を感じにくい。

丸々2日間かけて、あの手この手で

徹底的に教えてもらって、

めんどくさいな、つらいなと思いながら

苦労して得た瞑想の技術だと、

高い価値を感じて大切に思うわけです。

 

費用がかかったから、

もったいなくてやってるだけじゃないのか、

と思うかもしれません。

 

確かにそういう面も少しはあるでしょう。

でも、それは瞑想が身についた決定的な

理由ではありません。

 

二日間というプロセスを経たことで、

瞑想というものの持つ本質的な価値に

気づくことができたことが、

決定的な理由なのだと思います。

 

さて、この話がビジネスの話と

どう関係するのかと言いますと……。

 

これは人事の経験が豊富な人の間では

昔から良く知られていることなのですが、

人を採用する時に、特に新卒者の場合だと、

面接1回で一発採用した新人さんというのは、

入社してからちょっと嫌なことがあると、

すぐに辞めてしまうと言われています。

 

だから人事の担当者は、

新卒採用にはあえて時間をかけます。

一次面接、二次面接……他にも採用試験とか、

最終的には4~5回ぐらいのプロセスを

用意していることも多いです。

 

この人は優秀だからすぐに採用を決めたい、

と思うような人が面接を受けにきても、

あえてすぐには採用を決めない。

内心では採用を決めていてもです。

 

そうやって、時間と労力をかけて、

長いプロセスを潜り抜けて採用された新人さんは、

何かつらいことがあっても簡単には会社を辞めない。

そういう法則があるんです。

 

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人間、苦労して手に入れたものは

簡単に捨てようとは思いません。

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そして、長いプロセスをかけることで、

会社に入社するということの

価値の大きさを認識するわけです。

 

会社に入ってからの新人研修などでも

同じことがいえます。

それなりの時間をかけて研修をしても、

それだけでいきなり新入社員が即戦力に

なるというわけでもありませんよね。

 

例え3ヵ月ぐらい研修期間を設けても

教えられることなんて知れています。

会社の理念とか、事業の内容とか、

社会人としての最低限の常識とか

ビジネスマンとしての基礎の基礎とか、

せいぜいそのぐらいかもしれません。

 

だけれども、その最低限の知識を

時間をかけてみっちり教え込んで

身につけさせておけば、

社会人としての自覚が出て来るわけです。

 

この最低限の知識というのは、

効率的にカリキュラムを組めば、

1週間で教えられることかもしれません。

 

でも、それをあえて3ヵ月かけることが

大事になる場合もあるんです。

 

例えば会社の理念は、読み上げてしまえば

1分足らずで終わってしまうでしょう。

でも、その理念に込められた思いを

経営者が自らの口で伝えるとか、

上司が自分の捉え方を伝えるとか、

理念に絡むエピソードを聞かせるとか、

新入社員に理念をどう感じたか語らせるとか、

それこそ手を変え品を変えて、

あらゆる角度から理念をたたき込む。

 

そこまでやって初めて、会社の理念が

新入社員の心の奥に刻まれるわけです。

ここまでしないと、どんなに立派な

理念を作っても意味をなさないんです。

 

マーケティングでも同じことが言えます。

製品の特徴や良さをどうお客様に伝えるか。

カタログを持って、マニュアルで

説明するだけならば10分で終わる。

だけども、それではお客さまには

何も伝わらないわけです。

 

ここが最大の売りなんだ、

というポイントを手を変え品を変え、

あらゆる手を尽くして、

お客さまに伝えられるかどうか。

 

そうやってお客さまの心を動かすことが

マーケティングの極意なんだと思います。

 

みなさまも是非、あらためていま一度、

めんどくさいプロセスを組み込むことを考えて、

それを会社の仕組みに取り入れてみてください。

 

岡田有史

 

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ちなみに上記でお伝えしました瞑想のセミナーですが、

また改めて9月に岡田が参加します^^

今度は9/13~16の4日間都内で、

インドの瞑想の大家が来日してのセミナーです。

一緒に出たい!興味がある!

という方がいらしゃったらこのメルマガにレス頂ければ

個別にお知らせさせていただきますね^^

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