農業は、物流が9割だ
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
先週、農業総合研究所会長の及川さんに
弊社銀座経営者クラブに来ていただき
ご講演いただきました。
現在及川さんは農業のコーディネート、
農業の直売所ビジネスのようなもので
100億円の売り上げを出し創業されて8年で上場。
今後それを1000億、
そして2035年には
1兆円にするというビジョンのもと
経営をされていらっしゃいます。
お話を伺ってると本当に面白くて、
一言で言うと
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農業の本当の価値、
農業ビジネスの本当の勘所
というのは物流だと。
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例えば良い白菜があったとして
それを一年かけて手塩をかけて育てて作ったとしても、
道の駅のような場所で販売したときに
田舎だと50円程するけれど、
東京だったらそれが2倍にも3倍にもなっている。
要するに、コストのほとんどが物流なんだという話を
及川さんはされていました。
そういう意味で言うと、
物流にしっかり革命を起こしてキーを担い、
コストを何割も下げて
(何だったら半分、三分の一、十分の一にできる人が)
農業の業界でチャンピオンになるんだと。
それを及川さんは
一番最初に理解することができ手をつけ、
そしてそれができたから一瞬で上場できた。
それができているから今1000億が見えているし、
何だったら1兆円も見えている。
ほとんどの人が物流を見ていなくて、
物流というのは
物流会社の人がやるものだと思っている。
だからほとんどの人が農業をやると言ったら
農家さんになる、何か物を作る、
もしくは農家さんが仕入れて売ろうとする。
でもその間を繋ぐ人はほとんどいなくて、
だからその農業の生産者と、作る人と販売する人の間に入る
コーディネート業をしようとしたと。
それぐらいコーディネートというのは価値がある。
コーディネートとは何かというと、
物流+ブランディング。
ではブランディングとは何かと言うと、
実際に美味しいトマトを売ることではなく
「このトマトがどういう風に作られ、
どういう価値があって、
どれぐらい生産されて誰が作っていて
だから美味しいんだ」
という、
「美味しいということの価値」
を最初に伝えて美味しいんだと思ってから食べてもらうこと。
これがブランディングと定義しているそうです。
ただ食べておいしいこと以外に、
そのおいしさに意味を持たせることがブランディングなんだと。
プラス物流をすることによって、
物の価値というものは何倍にもなる、
というお話をされてました。
なので農業業界の”作って運んで売る”、
黒子ビジネスの全てをやると。
及川さんのお話で本当に面白いなと思ったのが、
農産物の流通で一番難しいのは物流だけれども
その中でもやらないことを決めてると。
例えば、ジャッジせず来たものをそのままスーパーに届ける。
実際それをどうするかっていうのは作っている人が決める
というのが一個目。
そして、ファーストワンマイル・ラストワンマイルは
やらないと決めていると。
生産者さん、農家さんが出荷場にまで持ってきてくれて
それを東京の物流センターまで運ぶことが及川さんの仕事で、
東京の物流センターにはラストワンマイルの
各スーパーの人たちが仕入れに来る。
そしてスーパーの角コーナー、
農産物直送コーナーみたいなところに全部置いてもらう。
ファーストワンマイル・ラストワンマイル、
そういう一番コストがかかることもやらない
という風に決めていると。
そういう意味で言うと、このビジネスで
物流の流通を起こしている会社というのは世の中になくて、
最終的にはスーパーを出口とした大量流通・大量販売
というビジネスで天下を取っていくと。
本当に農産物で一番大切なのは物流だそうです。
鮮度が要求されているし、値段も要求されているし、
他にも味だったりいろいろなものが要求されている。
なので、物流革命、それをITの力を使ってやる。
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農業ビジネスの勘所っていうのが、
みんなが作りたいからこそ作るのではなくて
その間に入るんだという、
そのビジネスモデルに行き着いたついた。
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そして、その中でも
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「大量流通、大量販売」
ということでしか解決できない。
だから、全国100箇所の集荷所に
持ってきてもらったものを
ただただスーパーに売る
という形式のみでたたう。
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そしてそれこそ誰も思いつかなさそうな
ブルーオーシャンをちゃんと見つけられた。
そのビジネスの勘所、
ポイントが本当に面白いなと思いました。
どの業界でも何かまだまだあるんじゃないかなと思うし
それこそコロナでITが発達しているというけれど、
それ以上に物流がキーになっていて、
どの業界でも物流を2割でも3割でも効率化できるだけで
大きなビジネスチャンスがあるんじゃないかなっていうのを
農業を通じて改めて感じさせられました。
岡田有史