つまらないを無視しない

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

今週、弊社銀座経営者クラブの講演会でご講演いただく

農業総合研究所の及川さんとの打ち合わせで、

すごく面白い話があったので皆さんとシェアしたいと思います。

 

及川さんは農家さんと、

スーパーや八百屋さんのような販売店をつなぐ

「ITと物流のプラットフォーム」を作った方で、

創業して8年で上場されたやり手の経営者です。

 

農業といったら、

農協という巨人産業がいる中で

そこと戦い過ぎず上手く間に入って

 

みんなが一番欲しいと思っていたことを実現して、

そして上場まで果たしているということが

本当にすごい面白いなと思うんですね。

 

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ITと農業を組み合わせた農家の直売所ビジネスとして

全国71拠点約1000店舗の場所で

約7000の農家さん達の色んな野菜とか

色々なものを直売してる。

 

一言で言うと農家の直売所ビジネス

みたいなものを実現しています。

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面白いのは、及川さん自身も

農業の立場で農家さん経験があるし

八百屋さんという販売所もご経験があるということ。

 

及川さんは、農業に関わる事を

ずっとやりたいなと思っていたそうです。

 

サラリーマンからの独立、

奥さんの実家できゅうり農家をやっていたそうですが

 

1年農業をやった感想が

”つまらないな”

と思ったらしいんですね。

 

それまでは、

「ありがとう、助かったよ。ほんとありがとね。」や

「土日なのにありがとうね。」

という声をサラリーマン時代はもらっていた。

 

けれども、きゅうり農家になったら

そこには「美味しかった、ありがとう。」というのがない。

 

伝票には、

”まっすぐなキュウリが100本、曲がったのは100本です”

と農協さんから書いてあるだけ。

 

それが全然つまらなくて

全国の農家さんは

同じことを思ってるんじゃないかな、と

お客さんの声が全然聞こえてないんじゃないかなということで、

 

2年目は独立して自分で作ったきゅうりを

自分で販売することにしたそうです。

 

でも農業というものは甘くなくて、

ちゃんとしたきゅうりがあったとしても

どこに持っていけばいいのか分からない。

 

しょうがないから色んなスーパーに

ドアノック営業してガンガン売っていった。

 

でもまさかの1年目、全然売れなくて年収40万円だったと。

 

元々サラリーマン時代に年収600万円もらっていたから愕然として、

3年目にはもうやめようかと思って絶望に陥ってたらしいんですね。

 

でも3年ぐらいになると

今まで売っていたスーパーから自動で注文が入って、

今度は、ナスとかみかんとかはありませんかって言われるようになった。

 

それだけじゃなくて

きゅうりを漬物にしてくれ、や

サラダにしてくれ、などの

いろんな注文が入り、

友達の野菜を売ったり加工したものを売ったりとか。

 

その時”これやな”って思ったらしいです。

 

農業でもスーパーの要望をちゃんと聞いたら

買ってくれてる人の声をしっかり聞いたら

これはビジネスになるなと思った。

 

マーケットインの発想ですよね。

 

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そこから農業するんじゃなくて

農業の仕組みを変えたいと思った。

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農家さんは若い生産者が多いけれど、

みんな代々続くお父さんがいて

”お父さんがやってきたことを変えることはできない。

それが農業なんだ”

 

みたいな感じで、

新しいことをやろうと思ってもできないんですね。

 

だから及川さんがそれを代行してやろうと思ったらしいんです。

現場から農業を変えることに時間を使おうと。

 

その後大阪に進出して八百屋さんを始めたそうです。

 

その結果、今まで農家さんとして作ってる時は

1円でも高く売りたいなと思って、値上げしていたけど

仕入れる側だと利益を出したいのでどんどん農家さんを叩く、値切る。

 

両方経験はあるのに、立場が変わってしまう。

 

それは水と油のように違っていて、

交わるところが問題で解決してないんだなと気付いた。

その交わるところをコーディネートしなければいけないと。

 

1年八百屋さんをやって、創業資金50万円で

農業総合研究所を作ったらしいんです。

 

農業の仕組みを作る、

生産者と販売者の間を取り持つ仕事をする。

 

そこにITを取り入れて、生産者・農家さんが

常にいくらで売れているのか、

自分の物がどこで、いくらで、どれくらい売れてるのか、

というのが常に見れるようにする、

という仕組みを作り一気に上昇した。

 

そして今後は全国展開どころか、

海外でも展開し、

売り上げ100億くらい出すのが目標だそうです。

 

及川さんのお話から思うこととしては、

 

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何かつまらないと思ったら、

それはもしかしたら

自分のビジネスじゃないし、

自分がやることじゃないと

神様が教えてくれていることかもしれない。

なので、そのつまらないという感情を無視しない。

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何か違うなと思ったら、

それが本当に大事なサインになるよ

ということを教えてくれました。

 

皆さんも是非、

つまらないなという感情を無視せず、

それが大きな仕組みを作るきっかけになると思うので、

注目してもらったら面白いかなと思います。

 

岡田有史