アイディアのコツ

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

弊社、銀座経営者倶楽部でご講演いただいた、

アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)の

オーナー社長・丸山雄平さんのお話の第3回目です。

 

ASJは住宅を建設する際に、

設計をする建築家と施工をする工務店、

そして発注をするクライアント、

この三者をつなぐ役割を担っている会社です。

 

これまでの建築業界では、個人が家を建てる場合、

大手の住宅販売会社に注文するか、

地元の工務店に注文するのが一般的でした。

発注者が個性的なこだわりの強い住宅を建てたい

と思っても、なかなかそれを実現することは

難しいというのが実情です。

 

ASJでは、そうしたこだわりのある発注者の

需要に応えるために、これまでの建築業界では

なしえなかった様々なアイデアを出して、

発注者と建築家、工務店の間をつないでいます。

 

例えば、ASJでは全国各地にスタジオを作り、

家を建てたいと考えている人が集まって、

家作りの情報交換の場としたり、

建築家の話を詳しく聞くことができる場を設けています。

また、ASJに登録することで、

メルマガの配信や会員サイトの利用、建築情報誌の配達などで、

住宅に関するより詳しい情報も得ることができます。

また、ASJを通して集まった会員同士が、

地引網や田植え体験などのイベントを開催して

つながりを持つような事例も増えているそうです。

 

こうした動きは、これまでの建築業界では

ほとんど見られなかったもので、

丸山さんのアイデアが、建築業界に

新風を吹き込んでいるわけです。

 

もう一つ、ASJでは世界的に知られている

イタリアの総合建築雑誌「CASABELLA」を翻訳し

カサベラジャパンとして発行しています。

この雑誌をASJとつながりのある建築家に

毎号届けているそうですが、

そのために毎月500万、年間で6000万円もの

費用がかかっているそうです。

 

非常に大きな負担にも関わらず、

丸山さんはこれまで頑張って続けてきました。

その結果、カザベラジャパンを評価した

建築家の大御所、安藤忠雄さんから

電話がかかってきて、親しい間柄にりました。

他にも、隈研吾さんとか、有名建築家と

つながりを持つことができたそうです。

このことは、ASJを成功・発展させるための

大きな力になっています。

 

こうしたたくさんのビジネスアイデアは、

どのようにして生み出されているのか。

 

丸山さんは、年間でおよそ200日の出張生活で

全国各地やイタリアなど世界を飛び回っています。

アイデアを考えるのは、その移動中が多いそうです。

飛行機とか新幹線の中というのは、

他にすることもありませんし、

一定の音や振動がある環境のほうが

不思議と集中できるものなんですね。

 

他にも、例えば土日のイベントに出席するなら、

前の日の夜に現地入りをして旅館に泊まって、

美味しい物を食べて、温泉に入ってゆっくりする。

そういうときにフッとアイデアを思いつくといいます。

 

だから、丸山さんは社長室というものは

作っていないそうです。

自分のデスクとイスは一応あるけれども、

それすら普段はほとんど使っていなくて、

旅先と移動中が自分の職場だそうです。

 

そしてもう一つ、アイデアというのは、

追い詰められると出るんだとおっしゃっています。

例えば株主さんに怒られたあととか、

精神的に追い詰められた方がアイデアが出るもので、

ビジネスが順調で安心しているときというのは

アイデアは出て来にくいといいます。

ただし、安藤忠雄さんや隈研吾さんのような

超一流の人たちというのは、

自分で自分を追い詰めることができるといいます。

そこが天才なんだと。

 

そう考えてみると、飛行機や新幹線の

移動中に仕事をするというのも、

自分を追い詰める一つの方法なのかもしれません。

この飛行機が到着するまでに、

アイデアを10個出すんだとか、

そうやって期限を切ることで

自分を追い詰めることができるわけです。

 

そんなに移動することがないという方は、

例えば、毎朝1時間早く起きて、

その1時間をビジネスのアイデアを

考える時間に充ててみるというのもいいかもしれません。

そのとき、会社に早く出社してやるよりも、

自宅でやるとか、出社途中にカフェに寄るとか、

普段の仕事とは環境を変えたほうが

より集中できると思います。

 

普段と違う環境で、時間を区切って

自分を追い詰めてアイデアを出す。

是非、みなさんも試してみてください。

 

岡田有史