プライドを捨てた分だけビジネスは成長する

こんにちは


経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。


みなさまは、自分の会社と同業の他社の

製品やサービスを顧客として体験していますか。


例えば、マッサージ店を経営しているとして、

ライバル会社のマッサージ店のサービスを

一顧客として受けてみるというようなことです。


同業他社のサービスを研究することは

マーケティングの基本的な手法ですから、

そんなことは、お店を出す前とか、

創業したての頃に散々やったよ、

という方も多いと思います。


でも、創業して経営がある程度軌道に乗って、

何年も続いている会社だととどうでしょうか。


同業他社のサービス内容をチェックするぐらいのことは

当然やっていると思います。

例えばA社は10分1000円の格安コースを始めたとか、

B社は新しく温熱療法のマシンを導入したとか。


しかし、実際にそのお店に足を運んで

顧客としてサービスを受けてみることまでは、

なかなかやっていないのではないでしょうか。


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何が大事かと言うと、

ビジネスモデルの気づきとかそう言うことよりも

そこで感じる顧客としての感情なんです。

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気持ちいい。

嬉しい。

意外に便利だ。

単純に楽しい。

逆に、

違和感を感じる。

少しイラっとした。

などなど

それをプロとしてではなく

素直にただただ顧客として感じてみる。


長年その業界でビジネスをしていると、

もう目新しいサービスなんてないし、

わざわざ顧客として体験しなくても、

サービスの内容は想像がつくからと。

多くの人は、そういう感じに

なってしまっているかと思います。


もちろん、サービスの想像がつく、

ということ自体は間違っていないでしょう。

実際にサービスを受けにいったとしても、

だいたい予想した通りの内容のはずです。


だけれども、それでもやっぱり、

実体験することで得られるものが

たくさんあると思うのです。


お店の従業員は新サービスを

自信を持って提供しているのかどうかとか、

やってくるお客様の生の反応はどうなのかとか。

世の中のトレンドを肌身で感じるというか、

実体験することでしか得ることができない、

生の感覚というものがあると思うのです。


あるサービスを受けてみて、

あ、これいいな、面白いなと感じたりとか、

悪くないけど自分ならもっとこうするのに、

と思ったりしたことがきっかけになって、

自分もその業界のビジネスを始めたんだ、

という人も多いと思います。


そういうビジネスのエネルギーの元になるような

原体験というものが、とても大事だと思うんです。


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だいたい予想がつくから別にいいや、

というのではもったいない。

同業他社のサービスに自ら足を運んで、

五感を研ぎ澄ませて、肌身で感じて、

”気付き”がないか探してみる。

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そうやって得た気付きというのは、

言葉にできないほどの価値があると思うのです。


それは例えば、BtoBの業種でも同じこと。

もちろん簡単には体験できませんけど、

それでもチャンスがあれば、

同業他社のサービスを体験したほうがいい。

そこには必ず何かしらの気付きがあるはずです。


逆に言うと、気付きを受け入れられるだけの

素直さや、柔軟性、度量があるかどうかが

重要だったりします。


例えば、コンサルティングの業界だと、

自分はビジネスのプロだと思っているから、

プライドが高くて、他人の意見を聞かない

タイプの人を多く見かけます。


いつも他人の会社の決算書を見ては、

あれこれと指摘しているのに、

自分のところの決算書は決して人に見せないとか。

他社のコンサルティングを試しに受けてみる、

なんて考えたこともない人も大勢います。


だけど、本当は、コンサルを受けて見れば、

そこには気付かされることだらけなんです。


決算書から何から何まで赤の他人に

全部見せるというのは、

いったいどんな気持ちがするのか。


カウンセリングやコーチングでもいいかもしれません。

自己開示がどういうものなのか。

人に指摘されことがどんなことなのかを感じてみる。


意外に気持ちい。

結構便利で使えるしスカッとする。

論点が整理されるね。

参考になるな。


逆に

何だかイラっとした。

全然見当ちがいだけどなぁ。

何だか上から目線なんだけど。。

提案はいいけど、人として何だか好きになれない。

そもそも楽しくない。

何だか不安だ。

人として尊重されてないなぁ。


いろんな感情が出てきて

その感情こそが大事なはずです。


不安だったり、恥ずかしかったり、

そういう気持ちを自分自身が体験することで、

プロのコンサルタントとしての深みが出るんだと思います。


例えば、お医者さんが、ご自身が病気になって、

手術を受けたり、入院してみて、

始めて患者さんの気持ちがわかって、

それからは患者さんの身になって

いろいろな改善をしたんだ、

みたいな話もよく聞きますよね。


ビジネスでも顧客の立場になってみて

始めて気付かされることがたくさんあります。


例えば、弊社では毎週のようにセミナーを

全国で開催していますが、

そのセミナーを受けるお客様は

どんな気持ちでやってくるのか。


会場に行ってみたら自分だけ

場違いな雰囲気だったらどうしようかとか、

受講料を払って、何も得られるものが

なかったら嫌だなとか。


取るに足らないような不安かもしれないけど、

実際にセミナーに申し込む側からしたら、

その不安というのがけっこう高いハードルなんですね。


なかなか気づいても改善できないことも多いですが、

それでも、それに気づき、認識しておくだけで

大きなすれ違いは起こらないんじゃないか。


そんな小さな不安はどこにあるのか。

どのぐらいのハードルになっているのか。

それは自分自身が体験してみないと

なかなかわからないことなんです。


だから、みなさん是非、

自分自身で体験するという基本を

あらためて見直してみてください。


経験とかプライドとかを全部捨てて、

ゼロからビジネスを始めるときのような

新鮮な気持ちをもって、

同業他社のサービスを受けてみる。


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ビジネスは、プライドを捨てた大きさ

の分だけ、成長します。

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体験することで得られる気付きや深さは

山ほどあるはずですし、

自分のビジネスの根本を見つめ直すことも

できるのではないかと思います。


岡田有史