社員一人一人の粗利を伝える

こんにちは
岡田有史(ゆうじ)です。

上場企業や、規模の大きな会社では
当たり前のようにやっているのに、
中小企業などでは意外にできていないことの一つに、
社員一人一人の数字の「見える化」があります。

「見える化」というのは、
問題を見つけ出して見えるようにする、
という意味で使われるビジネス用語ですが、

社員一人一人一人の粗利の「見える化」とは

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社員一人一人がどのぐらい粗利を稼いでいて、
それがお給料の何倍なのか、
という数字がわかるようにすること
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という意味です。

営業が主体の、いわゆる営業会社であれば、
中小企業でも数字の見える化をすることは
当たり前のこととして行われていると思いますが、
何か作業をするとか、サービスが主体の会社だと
見える化に取り組んでいない会社が結構多いと思います。

見える化が行われていないと
どういうことが起きるのかといいますと、
例えば、10年目のベテラン社員がいて、
40~50万ぐらいのお給料を取っていて、
その人の粗利を調べてみたら、
実は50万円ぐらいしか稼いでいなかったとか。
逆に昨年入ったアルバイトの子は、
お給料18万で粗利は40万稼いでいるとか。
そういうことがあるわけです。

給料40万で粗利50万だと、
給料の1.2倍しか稼いでいないわけですから
会社としては間違いなく赤字ですね。
アルバイトの子は給料の2.2倍以上稼いでいるので
ちゃんと利益を出してくれている。

もちろん、社員の方はアルバイトの指導とか、
粗利だけでは計れない仕事をしていることもあるので、
それはちゃんと数値化して評価しなければいけません。
でも、ほとんどのケースでは、
単純に仕事の効率が悪くて数字を出せていない
ということが多いのです。

だからこそ、ちゃんと数字を出して、見える化して、
赤字の社員にはその事実を告げなければいけないわけです。
社員は嫌がるかもしれませんが、
それをやるのが社長の責任とも言えます。

給料の1.2倍しか粗利を出せないなら、
2.2倍出してくれているアルバイトを増やしたほうが
会社の利益になるという事実をわかってもらう。
本当なら給料の3倍稼いでもらいたいんだと。
いきなりそれは無理だとしても、
最低でも2倍は必要なんだということを
説明しないといけないのです。

2倍ができたら、それをどうやったら
3倍に近づけていけるのかを考えてもらう。
2.1倍とか2.2倍にする方法を自分で考えて
実践してもらうわけです。

もちろん、数字の話ばかりをすると、
社員は面白くないかもしれません。
だから、見える化をして数字の話をするときは、
ちゃんと時間をとって面談をして、
その社員の悩みとか希望とか、
そういう話も聞いてあげないとうまくいきません。

面談なんて普段やっていなくて、
何を話していいかもわからない
という経営者の方も意外に多いのですが、
それならばなおさら見える化に取り組むべきだと思います。

数字が見えれば、社員に何を伝えなければいけないかが
明確になりますし、飴と鞭ではありませんが、
厳しい数字の話をすると同時に、
社員の悩みもちゃんと聞いてあげれば、
経営者と社員の距離がぐっと近づくわけです。

数字の話も、単に目標を押し付けるのではなく、
目標を達成するために何をすればいいのかを
社員と一緒に考えていくことが重要です。
それによって、会社に一体感やメリハリが
生まれてくると思います。

みなさまの会社で、もし現在
「見える化」が行われていないのであれば、
是非、取り組んでいただければと思います。

岡田有史