即答できるような目標を持つ

こんにちは

経営者マーケティング研究所 代表の岡田有史(ゆうじ)です。

突然ですが、皆様に質問です。

「直近の目標はなんですか?」

……と、このように問われたとしたら、 皆様は即答することができるでしょうか。

即答できるということが大事なポイントで、 考えれば目標を挙げられます、 というものとはちょっと違うんです。

なぜかといいますと〈流れ星理論〉 と言われるものがあるんです。

昔から、流れ星を見たときに 願い事を3回唱えれば夢がかなう と言いますよね。 ところが、流れ星は一瞬のことですから、 普通はそんなにとっさに願い事なんて 思いつきません。

逆に言いますと、流れ星を見た瞬間に 願い事を唱えることができるぐらいに、 普段から夢とか、目標を意識している人なら、 自然と普段から、その夢をかなえるための 行動をしています。

すると、流れ星を見る見ないに関わらず 夢はかなうんだといいます。 これが〈流れ星理論〉です。

ですから、目標というものは、 いつ誰に聞かれても即答できるように しておくことが大事なんです。

もし、仕事がうまくいってないなとか 最近どうも流れが悪いなとか、 そういう場合は、 目標を設定しなおしてみる、 というのも面白い方法です。

目標というのは、 自分を前に進ませてくれるエネルギーになります。 しかし、例えば50億円企業を作るぞ、 という目標を立てたとすると、 その目標に縛られてしまうこともあります。

目標とは全然方向性が違うんだけど、 可能性のある面白いアイデアを思い付いた、 そういうときに、目標に縛られていると、 せっかくのアイデアを 捨ててしまうこともあるんです。

だから、ちょっとうまくいっていない、 流れが悪い、というようなときは、 目標に縛られていないかを 考えてみるといいと思います。 時には、それまでの目標をリセットして、 新しい目標を立ててみる。 そのことで、呪縛を逃れて、 新たなステージに立つことができるかもしれません。

目標を持つということは、 基本的にとても楽しいことです。

ビジネスに限らず、 ゴルフのスコアとか、ダイエットとか、 新しい知識の勉強などでも、 何か目標をしっかり持つことで、 いま何をやるべきかが明確になって、 向かうべき先が見えていることで やる気が生まれます。 ビジネスでも生活でも、目標を持つことで、 その楽しさは1.5倍ぐらいになるのでは ないかなと思います。

その目標の立て方がわからない、 という方もいるかもしれません。 特にビジネスの世界、経営者としての 目標の持ち方がわからない。

もちろん、目標はなんでもいいんです。 世界にリーチする会社になるんだとか、 業界ナンバー1になってみせるとか、 注目企業としてテレビに出るんだとか、 カリスマ経営者として本を100冊書くぞとか。 どんな目標でもいい。

でも、そういう漠然とした大きな目標では なんとなくピンとこない。 もっと具体的な目標がいいんだけど、 それがわからないという場合。

そういう時は、まず初めの一歩として キャッシュ残を一定程度持つ、 ということを目標にしてみるのが いいと思います。

例えば、個人の事業主なら、 取り合えず1000万のキャッシュを持つとか。 そのレベルはすでにクリアしているなら、 5000万とか1憶を設定してもいいです。 法人の場合は、売上の半年分ぐらいの キャッシュを持つことを目標にするとか。 例えばそれが3億円とか5億円ぐらいなら、 そこを当面の目標にしてみる。

目標を持つことの目的の一つは、 強い会社を作るということなんです。 会社が強くなって、不安がなくなれば、 本当に自分がやるべき経営者としての 仕事に打ち込めるようになるんです。

強い会社にするための要素はいくつかありますが、 一番わかりやすく、効果が実感できるのは、 キャッシュを潤沢に持つということです。

キャッシュを増やす方法にもいろいろあります。 その中で、単に貯金をして自己資本を増やす というのは、あまり面白くありません。 ほかの方法をいろいろやってきたうえで、 貯金にたどりついたのであればいいのですが、 そうじゃないなら、まずほかの方法を 試してみるべきでしょう。

例えば銀行から1億円の資金を引っ張ってくる。 利子が2%だとしたら、年間200万円が 余分に掛かりますが、それでキャッシュ残が 劇的に改善して、強い会社にできるなら、 安い投資だと考えられます。

借金というものがどうしても嫌だ という人もいるかもしれません。 特に女性の場合は生理的に借金を 受け付けないという方が多いと思います。 そういう場合は、銀行から借りるのではなく、 投資や出資してくれる人を探す という方法もあります。

現金を引っ張って来る以外にも、 在庫が多い会社なら、一気に処分して 現金化してしまうとか、 遊んでいる固定資産があるなら、 処分してしまうとか、 キャッシュ残を増やす方法は いろいろあります。

キャッシュを増やすというと、 売上や利益を増やす目標を 立てる人が多いのですが、 売上が手形で、 仕入れが現金だったりすると、 キャッシュ残は減る場合もあります。 あるいは、利益を増やしたら 税金が増えてしまって、 手元にはほとんど残らなかった というケースも考えられます。

ですから、キャッシュ残を 増やそうと思ったら、 単に売上や利益を増やすだけではなくて、 自分の会社のキャッシュフローを 見直さなければいけないわけです。

単にキャッシュフローを見直す という目標を立てても、 なかなか何をしていいのかわからない。

でも、キャッシュ残を増やして、 経営の不安要素をなくすんだ、 という目標なら、やりがいがある。 キャッシュ残が少しずつ増えていくという 結果も目で見ていくことができるので、 面白いと思いながらキャッシュフローを 見直していくことができると思います。

実はコンサルティングをしていますと、 十分なキャッシュ残を持っているのに、 目の前の売上や利益が気になって、 「不安だ、不安だ」と言っている方が よくいらっしゃいます。

それは、会社の経営というものを キャッシュベースで考えていないから、 売上や利益でしか見ていないから、 ちょっとでも売上が減ると、 不安になるわけです。

そういう方が不安を解消するのにも、 キャッシュ残の目標を持つことは有効です。 キャッシュ残の目標を立てて実行するには、 キャッシュフローを勉強しなければいけない。 勉強することで、自分の会社が 十分なキャッシュ残を持っていることを 理解できれば、不安は自然と解消されます。

最後にまとめますと、 経営者は、いつでも即答できるような 目標を持つということが大事です。

即答できるほどに意識しておくことで、 自分のモチベーションになるし、 毎日のやることが見えてくる。 そうなれば、目標は必ず達成できます。

そして、持つべき目標がわからないなら、 とりあえずはキャッシュ残の目標を立てる。 できれば、貯金以外の方法で、 キャッシュ残を増やすことを考えてみる。

キャッシュ残を増やして 経営の不安要素が解消されれば、 自分のやるべきことが見えてきます。

本当に自分がやらなければいけないこと。 自分自身も社員も、出入りの業者も お客様も、みんなが幸せになるために 必要なことが見えてくるのではないでしょうか。

岡田有史