電話の印象でNGを食らってないか
こんにちは
経営者マーケティング研究所 代表の岡田有史(ゆうじ)です。
みなさまが何かで電話を掛けたときに、 その時の応対のちょっとした印象が、 そのお店とか会社の印象として、 後々まで心に残ることってありませんか。
例えば、飲食店に予約の電話を掛けたら、 「あー、その日は埋まってます」 と、つっけんどんに言われたら。
ゴルフコンペの予約の電話をしたら、 「え、10組ですか? 連休ですし無理ですね」 と、けんもほろろに断られたら。
そういうちょっとした印象って、 ずっと心に残っていて、 「もう、あそこは絶対に使わない」とか、 そこまでいかなかったとしても、 次に予約をするときは、 なんとなく別のところを探してしまう。 そういうことって誰でもよくあると思うんです。
会社の仕事の電話対応でも同じことで、 電話に出た事務員のちょっとした対応一つで、 取り引き先の担当者に悪い印象を 持たれてしまうことが本当によくあります。
その会社が、他社を圧倒するような優れた製品を持っていて、 代わりが利かないようなものであれば、 そう簡単にお客さまは逃げないかもしれません。
でも、ほとんど場合は、 競合する他社の製品があって、 印象一つで簡単に乗り換えられてしまう 恐れがあるはずです。
だから、電話対応の印象というのは、 その会社のサービスを5倍にも10倍にも 底上げする可能性がありますし、 逆に10分の1に落としてしまう 恐れもあるということなんです。
経営者自身は、まず心配ありません。
お客様からの電話は、 会社にとって宝物のようなもの、 ということが身に染みてわかっていますから、 「電話を掛けていただいてありがとうございます」 という気持ちが、意識しなくてもにじみ出るものです。
営業社員も、自分の成績に直結しますから、 大抵は、お客さまからの電話には 懇切丁寧に対応するでしょう。
でも、事務員はそうはいきません。
ほとんどの事務員は、 何か別の定常的な事務作業を抱えていて、 そのついでに電話を取っていると思います。
そうすると、電話が掛かってくると、 「あー、いまちょっと忙しいのにな」 「また電話か、うるさいな」 という気持ちを持ってしまいがちです。
もちろん電話に出る際は、 お客様にそういう気持ちが 伝わらないように気は使うでしょう。 でも、内心で思っている気持ちというのは、 必ずどこかに出てしまって、 電話口の相手に伝わってしまうものなんです。
だから、電話対応の印象で損をしないためには、 事務員の意識を根本的に変えなければいけない。
普段の定常的な仕事があって、 その合間に電話対応しているんじゃない。 電話対応も立派な大事な仕事で、 むしろメインの仕事はこっちなんだ、 というぐらいの気持ちになってもらう。
もちろん、電話対応以外の仕事も しっかりやってもらわないと困るんですけど、 電話対応は決してついでの仕事じゃないんだと。
経営者は、そのことを何度でも 伝えていかないといけないと思いますし、 そのためには、定期的に研修をするとか、 電話対応の良し悪しをしっかり評価して 査定に反映してあげるとか、 事務員の意識を変えるための工夫も必要になってきます。
電話対応専属のスタッフを雇うというのも、 方法としてはありだと思います。 ただ、大企業でない限り、 全ての電話を専門スタッフが受ける というのは難しいですよね。
だから、事務員をしっかり教育する。 そのための努力を惜しまない。 電話対応で損をしないようにする。
それが、できるようになると、 さらに上のステージとして、 電話対応が一つの武器にもなる可能性があります。
電話で悪い印象を持たれると 簡単にお客様が逃げてしまう恐れがある。 それを逆に考えると、 電話でお客様にいい印象を与えることが できた場合はどうでしょうか。
もちろん電話の印象だけで 即受注につながることは難しいかもしれない。 でも、そのお客様が他社の電話対応に 悪い印象を持っていたら、 この会社は感じがいいな、 いま使ってる会社は印象が悪いから 乗り換えを検討してみようかな、 と思ってくれる可能性は確実に上がります。
そう考えてみると電話対応というのは、 最高のプレゼンテーションの機会でもあるのです。
何気ない事務員の電話対応一つが 重大な落とし穴にもなれば、会社の武器にもなる。
そのことをいまいちど意識して、 電話対応について見直してみると、 何か変わるかもしれません。
岡田有史