必ず、どこかで一気にブレイクする理由

こんにちは

経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。

4月の銀座経営者倶楽部でお話いただく、
One Tap BUYという会社の創業社長である、
林和人さんのお話の2回目です。

One Tap BUYはスマートフォンで1000円から
株式投資ができる新しい形の証券会社です。
アマゾンやフェイスブックなどの海外の有名企業や、
トヨタやヤフーなど日本の優良企業も
スマーフォンのアプリから、
誰でも簡単に株が買えるようになっています。

これまでにない画期的なシステムということで
マスコミからも大きな注目を集めており、
林社長も毎週のようにテレビに出演している
非常に勢いのある会社です。

前回は林社長が証券会社に入社し、
香港に配属されて、向こうの大富豪たちの
生活や考え方を学び、人脈を広げ、
ついには独立して大きな証券会社を
自分で立ち上げるまでになった、
というお話を紹介しました。

このあたりのお話は、林社長の書かれた、
「香港大富豪のお金儲け 7つの法則」(幻冬舎)
という本に詳しくまとめられています。

引き続き今回は、林社長が香港で出会った
大富豪たち、その中でも特に華僑についての
お話をご紹介いたします。

華僑というのは、広い意味で中国から海外に
移住した人たちのことを指しますが、
互いに結びつきが強く、経済的に協力しあうことで、
多くの成功者を生み出しているコミュニティ的な
性格も合わせ持っています。

香港には非常に有力な華僑が数多くいて、
林社長が築いた大富豪たちの人脈にも、
華僑の人がたくさんいるといいます。

林社長は、その華僑の大富豪に、
あなた方は何を重視して、
ビジネスパートナーやブローカーを選ぶのか、
ということを聞いてみたそうです。

すると、

================
1番はハードワーク、
2番目はインテリジェンス、
3番目がトラストワーシーピープル
================

だと言われたそうです。

日本風に言えば、
よく働き、
創造的知識に富み、
裏切らない人物であること。

華僑の成功者たちは、
目先の利益を追求して人脈を広げるのではなく、
この3つを重視しているのだと言います。

もう一つ、林社長が華僑の人たちの成功例を分析して
学んだ秘訣として挙げているのが、
クリティカルマスを重視するということでした。

クリティカルマスというのは、
元々は物理学、特に原子力で使われる
臨界点という意味の用語で、
例えば核分裂反応がある一定のレベルに達すると、
一気に連鎖反応が進んで、莫大なエネルギーが放出される、
その分岐点のことをいいます。

マーケティング用語としては、
ある商品やサービスが社会に普及し、
それがある一定の量を超えると爆発的に普及が進むこと、
つまりは大ヒットするということを指して、
クリティカルマスの法則、のように使われています。

林社長は華僑の大富豪から学んだ教えとして、
このクリティカルマスの法則が大事だとおっしゃっています。
それこそ、クリティカルマスの鉄則と
言ってもいいぐらいに重視されているのです。

このクリティカルマスの鉄則というのは、
何も商品やサービスだけでなく、
いろいろなことに当てはまります。

例えば、学生時代に英語を学んでいて、
英単語を一生懸命覚えていく。
最初はいくら英単語を覚えても、
ちっとも英語が喋れる気がしないし、
試験の成績も上がらない。

でも、ある一定以上英単語を覚えたところで、
急に世界が変わって見える瞬間が来ます。
それまで英語の文章を見ても、
単なる記号の羅列にしか見えなかったものが、
突然文章として認識できるようになったり。
ネイティブの人が喋ってることが、
頭で考えなくても、意味が自然に
理解できるようになったりとか。

何も英語だけに限った話ではなくて、
数学の数式を覚え続けていたら、
急に数学の世界が理解できるようになったり。
歴史で、人名や出来事、年号などを覚え続けたら、
ある時、突然、歴史が全てつながって
理解できるようになったりとか。

そうした経験がみなさんにもあると思います。

そして、このクリティカルマスの鉄則は、
ビジネスの人脈にも当てはまるんだと
林社長はおっしゃっています。

岡三証券に入社して、香港に配属されて、
林社長は香港の大富豪たちと、
なんとかつながりを持とうとして、
必死にアポイントを取ろうとした。
でも、当時は一人に会うだけでも大変で、
人脈もなかなか増えていかなかったそうです。

それでも、少しずつ少しずつ、
一歩一歩信頼を得て人脈を増やしていった。
すると、ある一定のところまで来た時に、
急に、華僑の大金持ちの投資家とか、
香港の財閥の二世とか、上場企業のオーナーとか、
香港の有名タレントとか、
そういう人脈が、同時に重なるように、
一気に増えていったのだそうです。
まるで、それまでの苦労が嘘のように
すべてが理想的な状態に入ったと。

さらに、クリティカルマスの鉄則は
もっと他のことにも、全部に当てはまると言います。

人脈以外にも、情報とか時間もそうなんだと。
必死になって、情報を集めて続けていると、
ある時、急に情報が山のように
流れ込んでくるようになると。

香港の華僑が1番目に重視していた、
ハードワークということを林さんも重視していて、
とにかく働け、働けという。
それも、ある一定のところを過ぎると、
仕事の効率が急に上がって、
急にうまく回るようになる。
その段階まで行けば、それまで忙しくて
まったく時間が足りなかったのが、
急に余裕が得られるのだと言います。

最後に、クリティカルマスの鉄則が
最も顕著に効果を発揮するのがお金。
投資なんだと。

100万円を溜めるまでは本当に苦労する。
でも100万円を200万円にするのはすぐです。
そこから1000万円にするまでは少し大変ですが、
1000万円を2000万円にするのはすぐなんだと。

一定段階から先は、加速度的に増えていく。
このクリティカルマスの考え方を知らなければ、
投資で成功することは絶対にできないんだと。

クリティカルマスの鉄則。
みなさんも是非、この考え方を取り入れて、
ビジネスの世界で生かしてみてください。

単なる右肩上がりの直線的な成長ではなく、
曲線を描いて急上昇する指数関数的な成長を目指す。

そんなビジネスの飛躍を目指して
いただければ、と思います。

岡田有史