しくじり社長の話は何故人の心をうつのか
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
先日の銀座経営者倶楽部で
(株)スリーシーコンサルティングの
児玉さんにお話しいただきました。
児玉さんは元々会計士で、
その後世の中にない新しい会計システムを作って、
上場企業に売却されたすごい起業家の方です。
彼がやったことの一つ目は、
上場企業の会計の仕組みを
全自動化(デジタル化、システム化)したこと
そして二つ目はキャッシュフロー経営をできるように
キャッシュフローの予算を自動的に作れるようにしたことです。
それらは全て特許申請をして、
そのすごい発明によって今は悠々自適な生活をされ
(という表現をご本人は実際にはおっしゃってないですが、
現在の決算書をテキストに貼り付けてくださってました笑)
CD でメジャーデビューしていらっしゃるとのことですが、
その前半では経営当時の壮絶さをお話してくださいました。
当時新しいシステムを作る上で、
思ってる以上にシステムにすごいお金がかかり、
ベンチャーキャピタルや、他にもいろんな会社からお金を集めていて、
最終的に累計で8億ぐらい集めてきたそうです。
その流れで本当に人生ずっとピンチだったと、
もういつ追われても誰に怒られても仕方ないぐらいの、
本当そんな状態で
(しかもずっと赤字を垂れ流していたそうで)
常に出資してくれている10社のベンチャーキャピタルから
毎週毎週報告のためのミィーティングを義務化される
といった状況で
本当に辛い状況だったそうです。
その後いろんな壮絶なことがあって
聞いてるだけでなんだかこっちも身体のどこかが痛くなりそうなぐらい
経営人生が大変で、
だけど最終的にうまくいった、
というお話を伺いました。
当日は、会計の話で、
専門的で難しくなるかなあと思っていたんですが、
本当にどんな難しい話でも
体験談ってすごく面白いくて
専門的な知識がそんなになくても
ちゃんと伝わるものなんだな、と思いました。
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私は、スピーチのコツは自分の体験談を語ること、
一次情報だけで語ること
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というお話をいつもしています。
一次情報というのは体験で、
二次情報というのはそれを見たもの・見た情報、
三次情報はそれを聞いた話というものですが、
我々が普段見るニュースなどの三次情報では人の心はあまり打たれない。
一次情報だからこそ心を打つんだ、
といった話を過去のこのメルマガでも何度もお伝えしてますけど、
児玉さんの話も実際に聞いてるだけで臨場感が伝わってきて、
その時の経営が本当に苦しかったと仰っていて、
その苦しさが伝わってくるぐらいでした。
過去の経営者倶楽部の講師陣の皆さんのお話って本当に面白くて、
例えば借金してヤクザに追われて
泣きながら全力で橋の上を逃げていって、、、
全部失敗して自己破産して、、
だけどその後一発逆転上場した、
みたいなお話って
ほとんどがしくじり社長で、
そういうお話が本当に刺さるなと思います。
普通人は、ついまとまった話をしたくなったり、
綺麗な話やかっこいい話をしたり、
または理論的な話をしたくなってしまいます。
でもそれはもうプロの人にまかしとけば良くて、
実際は自分は体験談だけを語る。
体験談というのは
どんなにつまらない話でも人の心に刺さるんです。
なのでこうやってうまくいったんだという自慢話ではあまり集客できないし、
内容が頭で理解できてもそんなに面白いと感じない。
今回の児玉さんの体験は本当に突き刺さってきました。
しかもうまくいっていなかった時のことがすごく長かったので、
余計に面白かったなと思います。
皆さんも、スピーチをする時は
体験談を基本として話しながら、
可能な限りしくじり社長的なエピソードを中心にお話されると
より伝わるのではないかと思います。
(講演のプロの方も読者の方に多数いて、
釈迦に説法ですみません。。)
岡田有史