意識を一個上げよう

こんにちは

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

よく、仕事の質を上げるためには、

一人一人の意識の高さが重要なんだ、

という話があります。

 

例えば、モノ作りの会社だったら、

ただ漫然と機械的に作業をしているだけの会社と、

それを使っている人のことを想像しながら、

どういう製品だったら喜ばれるのか、

どうすれば、使う人の生活が向上するのか、

そういうことを社員の一人一人が

意識しながら作っている会社とでは、

生み出される製品の質が全く変わってくる。

 

自動車を作っている会社なら、

その車に毎日乗っている人のことを考えて、

何をどうすれば、乗る人が便利になるのか、

こうすれば、笑顔になってもらえるんじゃないか、

それでみんなが幸せになって、

世界がよくなっていくことにつながるんじゃないか、

ということを考えて作るとか。

 

お菓子を作っている会社だったら、

学校から帰って来た子どもたちが食べるのに、

どんなお菓子だったら喜ぶだろうか。

休みの日に大人が食べるお菓子だったらどうか。

職場に差し入れるお菓子はどんなものがいいのか。

大事な相手に持っていく手土産だったらどうか。

いろんなシチュエーションを具体的に想像して、

どんなものが喜ばれるのか、

どんな工夫があったらいいのかを考える。

 

このようなことを、機械的な作業になりがちな

日々の仕事の中で常に考えている状態。

それが意識を一個上げるということ。

 

この意識を一個上げるということを、

現場の社員一人一人がやれるような

環境を作ることが凄く大事なんです。

 

例えば、最近はお城がブームになっていますね。

国内はもちろんですが、

むしろ海外のほうが日本の文化に

高い興味を持つ人が増えているぐらいです。

 

そのお城を改修する仕事をしていたとして。

何をしているんですか、と聞かれたときに、

お役所の依頼で壁を直してるんです、

ここに新しい橋を作ってるんです、

というだけの人もいるでしょう。

 

一方で、日本が誇る文化を

世界中の人に見てもらいたいんです、

そのお手伝いをさせてもらってるんです。

そう思ってやっている人もいます。

 

100年、200年後まで残るような、

世界の財産になるような建築物を作るんだ、

そう思って仕事に取り組んでいる人は、

一個一個の仕事に魂のこもり方が違います。

 

だから、みなさんにとってのお城はなにか。

それを、いま一度考えてみて欲しいんです。

 

以前に、現在経営者倶楽部で、

プロ野球で日本ハムファイターズが

日本一になったときのヘッドコーチを務めた、

白井一幸さんにご講演いただいたことがあります。

 

白井さんは、ノックの一本、素振りの一振りの

意識を変えたんだ、とおっしゃっていました。

 

「いまは日本シリーズの最終第7戦、

9回裏ツーアウト満塁の1点差で、

ショートゴロが飛んできた。

このゴロをさばいてアウトにしたら

優勝して日本一になるんだ。

そう想像してノックを受けるように

選手たちを指導した。

 

逆のシチュエーションで、

9回裏ツーアウト満塁1点差、

ここでヒットを打てば逆転で日本一だと。

そう思って、素振りをするんだと。

何も考えずに機械的にする素振りと、

全身全霊をかけてやる素振りとでは、

全然効果が違うんだ」

という話をされていました。

 

ビジネスの世界でも同じだと思います。

淡々と作業するだけの日々と、

高い志を持って仕事に臨むのとでは、

まったく結果が違ってくる。

 

仕事のことを「志事」と書く人もいます。

自分のやること、作るものの一個一個が

世界を変えるんだと思ってできるかどうか。

 

うちのブランドの服は、糸一本ほつれてもいけない、

決して使う人をがっかりさせない、

そう思ってすべての仕事にとりかかれば、

製品の質が全然違ってくる。

 

それを経営者がやることは簡単だと思います。

社員、スタッフの全員が、それに対して

もう一歩深く、意識を、志を上げて取り組めるか。

それをやりたいと思えるような仕組みを

どう作ればいいのか。

 

今週は、ちょっとそれについて

考えてもらえたらなと。

 

朝、仕事を始める前に、

「さあ、今日の仕事で世界をどうやって

一歩高められるかな」

 

「さあ、今から自分の仕事で、

世界を一歩よくするぞ」

 

そんなことをつぶやいてから、

一日を始めてみるのも面白いかなと思います。

   

岡田有史