世の中のトレンドの掴み方

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

弊社、銀座経営者倶楽部でご講演いただいた、

株式会社スペースマーケットの

代表取締役 CEO 重松大輔さんのお話から、

世の中のトレンドの掴み方について

みなさまにシェアいたします。

 

株式会社スペースマーケットは、

企業や団体、個人が所有する遊休スペースや

所有者が利用・営業していない時間帯のスペースを、

利用したい人と簡単にマッチングさせる

プラットフォーム

「SPACEMARKET(スペースマーケット)」

を運営する企業です。

 

会議室やホール、結婚式場、映画館、カフェなどのほか、

廃虚ビルや廃校、古民家、住宅、お寺まで、

実にさまざまなスペースが1万2000件以上登録されていて、

ユーザーは目的に合ったスペースを検索して、

時間単位で利用することが可能です。

貸し手(ホスト)からは30%、

借り手(ゲスト)からは5%の手数料をいただくのが、

基本的なビジネスモデルになっています。

 

広義ではシェアリングビジネスの一種で、

それをホストとゲストを結びつける

プラットフォームビジネスと

ミックスさせているわけで、

まさに現代の最先端をいく

ビジネスモデルを展開されています。

 

重松さんのお話で興味深かったのは、

最初にスペースマーケットのような形の

ビジネスモデルを思いついたから

独立起業を考えたわけではないということでした。

 

重松さんの場合は、

まず、独立起業するんだ、

という強い意思があって、

じゃあ、何をやろうか、

と考えた結果として、

スペースマーケットというビジネスモデルに

たどりついたのだといいます。

 

若い頃は大手通信会社に就職していたという重松さんは、

その経歴からもスペースマーケットのような

ビジネスモデルにつながる直接の経験はありません。

 

では、重松さんはどうやって、

スペースマーケットのビジネスモデルに

たどりついたのでしょうか。

 

それは、アメリカのビジネスを

徹底的にウォッチ・研究することでした。

アメリカでは、ベンチャー企業に投資したり、

協力や支援をするアクセラレーターと呼ばれる

投資プログラムが盛んに行われています。

 

そこでは、非常に優秀で将来有望な

経営者の卵たちが、最新のビジネスモデルを

生み出して、チャレンジングなビジネスを

展開しているといいます。

 

そのプログラム内で行われたビジネスは

ベンチャービジネス業界で常に注目されており、

日本でいうところのまとめサイトのような

ところで、いろんな成功例が紹介されている。

 

重松さんは、そのまとめサイトに目をつけて、

アメリカでトレンドを作り出している

ビジネスモデルを研究したのだそうです。

 

その中で特に目を惹いたのが、

Airbnbという、民泊ビジネスを展開する企業の

ビジネスモデルのクローンを用いた

ベンチャービジネスだったそうです。

 

Airbnbの会議室版や、イベントスペース版のような

クローンビジネスがたくさんあって、

それぞれ成功を収めていた。

 

それを見た重松さんは、

日本でも、遊休不動産や空き家などの問題が

社会的な問題になっていることなどを思い出し、

これは日本でもビジネスになるし、

社会貢献にもなると見て、

日本版のAirbnbクローンモデルともいえる

スペースマーケットのビジネスを作り上げて

起業する決心をしたのだといいます。

 

なお、Airbnbの本来のビジネスは民泊ですが、

日本では当時、民泊に関する法律が

整っていなかったので、

スペースマーケットでは、まずは

イベントなどのスペース貸し出しを中心に

事業を展開されていますが、

2018年に民泊新法が施行されたことで、

今後は民泊の分野にも積極的に

乗り出していく計画もあるそうです。

 

ただ、いまでこそ株式上場も果たして

大成功しているスペースマーケットですが、

2014年に創業してから最初の数年間は

赤字が続いて苦労されています。

 

それでも、アメリカのトレンドから

見つけ出したビジネスモデルに

自信を持っていた重松さんは、

プラットフォームビジネスの基礎となる

自社のWEBサイトを地道に改善し続け、

SEO対策も何度も繰り返すなど、

経営者として決してブレることなく、

成功を確信して歩み続けた結果、

いまの成功を手にしたのです。

 

実は、日本でも、

スペースマーケットと似たような

ビジネスがなかったわけではありません。

地方の空き家を紹介するサイトや、

店舗の空き時間を貸し出すような

サイトは存在します。

 

しかし、スペースマーケットほど

洗練されたビジネスモデルは

他になかなか見られませんし、

重松さんのように、何年もかけて

サイトの改善を地道に続けて、

優れたプラットフォームに

育てた例も見られません。

 

スペースマーケットのビジネスは、

起業が1年早くても、逆に1年遅くても、

おそらく、うまくいかなかったでしょう。

 

アメリカのベンチャービジネスの

最先端を走るビジネスモデルを

ウォッチする手段を探したということ、

そして、数年後に確実に日本にやってくる、

その直前という絶妙のタイミングで

トレンドを掴んだからこその成功。

 

みなさまも是非、最高のタイミングで

世の中のトレンドを掴む方法を

参考にしていただければと思います。

 

岡田有史