超ヘッドハンティングの秘訣

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

弊社、銀座経営者倶楽部でご講演いただいた、

株式会社LIBの創業社長、松本洋介さんのお話から、

今回はヘッドハンティングの秘訣について

みなさまにご紹介いたします。

 

株式会社LIBは女性向けのキャリア・転職支援と、

企業向けに女性採用の支援を行う会社で、

社員数は120人、登録ユーザー18万人以上を抱える、

業界トップクラスの企業です。

 

創業社長の松本さんはリクルート出身で、

その後、トレンダーズ株式会社に経営参画し、

会社を成長させて株式上場を果たされた実業家です。

 

さて、このメルマガでも、これまでに何度か

ヘッドハンティングの方法を取り上げましたが、

LIBでは、超一流企業の副社長や執行役員出身の

大物ビジネスマンが経営に参画されています。

 

そうした大物たちは、もちろん松本さん自身が

一人一人、口説き落としたそうですが、

いったいどうやって口説いたのでしょうか。

 

松本さんが最初におっしゃっていたのは、

お金じゃないんだ、ということでした。

高額報酬で引き抜いたわけではなく、

それどころが、一流企業の大物は、

お金では動かない人が多いと言うのです。

 

一流企業の大物たちは、

お金はすでに十分に持っています。

だから、彼らの興味は報酬にはない。

では、何があれば動くのか。

 

それは、優秀な彼らが実力を発揮するための

課題があるかどうかがポイントなんだと言います。

 

優秀なビジネスマンほど、仕事にやりがいを求めます。

だから、経営が順調で安定している会社よりも、

課題が山積みの会社のほうが、

彼らにとっては魅力があるわけです。

 

もちろん、ただダメなだけで、

やる気も何もない会社では話になりませんが、

課題は山積みで、問題もたくさんあるけれど、

それを解決していこうという強い意志があって、

そのために優秀な人を求めている、

そういう会社に魅力を感じるのです。

 

だから、松本さんが彼らを口説くときには、

いいところも悪いところも一切包み隠すことなく、

会社の本当の状態をさらけ出すと言います。

取り繕って、会社がうまくいっているように

見せかけても意味はないと。

 

また、彼らの興味を惹こうとして、

魅力的な課題があるように見せかけるようなことも

決してしてはいけないといいます。

彼らはとても優秀で経験豊富ですから、

話を盛っても、たちどころに見透かされて、

信用を失うだけなんだと。

彼らを口説くときは、常に真正面から、

すべて正直に話す意外にないんだと。

 

さて、大物ビジネスマンの口説き方の

基本はこれでわかりましたが、

優秀なビジネスマンである彼らは、

会社で重要なポストを任されていて、

大きな仕事に取り組んでいることが多い。

それを途中で投げ出すようなことは、

彼らは決してしないでしょう。

そこをどう乗り越えるのか。

 

松本さんは、まずはとにかく数を撃つこと、

コツは営業と同じなんだと言います。

振られることを恐れて声をかけなければ、

話は何も始まらない。

だから、多い時には10数人に同時に

声をかけていたこともあるそうです。

 

また、ハッキリ断られたくなくて、

曖昧に声をかけるのもよくないと言います。

 

「いま御社に行くことはできません。ごめんなさい」

と、ちゃんと振られるようにしっかり誘うことが、

口説きの第一歩なんだと。

 

振られても諦めないで1年でも2年でも待つ。

それでダメなら3年でも4年でも待つんだと。

ただ待っているだけじゃなくて、

その間、彼らと常に接触して、

3ヵ月に1回はラブコールをする。

貴方が好きです、いつまでも待ってますと

伝え続けることが大事なんだと。

 

同時に会社の状況も話して聞かせる。

いまどんな課題があるのか、

どんな問いを持っているのか。

自分の持っているビジョンも話して、

とにかく徹底的に伝え続けるんだと。

 

そうやって待っていると、

いつかタイミングが来るわけです。

例えば、彼らが抱えていた仕事が一段落して、

次の事業に乗り出す前の空白の時が訪れる。

その時に、諦めずに伝え続けてきたことが

生きてくるわけです。

 

松本さんが大物を口説いたときは、

報酬は前の会社の10分の1だったそうです。

いまは10分の1しか払えません。

だから、貴方の力で10倍の報酬を

払えるようにしてくれませんか、

と口説いたのだそうです。

むしろ、10分の1しか払えないのは、

貴方がうちの会社にいないせいですよ、

と言ったこともあったそうです。

 

こんな誘い方は、並みの人が相手なら、

「何言ってるんだこいつ」、

と思われて終わりでしょう。

 

でも、真に優秀な人たちは、

この口説き文句の本質を理解します。

その会社に本当に成長する余地があって、

自分の力を発揮できる土俵があるならば、

よし、それなら10倍を目指しましょう、

となるわけですね。

 

最後にまとめますと、

一つ目は、お金じゃなく課題があるかどうか。

二つ目は、取り繕わず、包み隠さないこと。

三つ目は、振られることを恐れず、数を撃つこと。

四つ目は、伝え続けながらタイミングを待つこと。

 

信じられないような超大物を何人も口説き落とした

松本さんのヘッドハンティング術。

是非、みなさんも参考にしてみてください。

 

岡田有史