エッセンシャル経営

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

代表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

今回は「エッセンシャル経営」について

みなさまにご紹介したいと思います。

 

この「エッセンシャル経営」というのは、

シリコンバレーでコンサルティング会社を経営する

グレッグ・マキューン氏の著書、

『エッセンシャル思考』という本が基になっています。

日本語訳版とマンガ版も発売されていて

ベストセラーとなりましたので、

知っている方も多いかもしれませんね。

 

さて、エッセンシャル思考を一言で説明すると、

「エネルギーを分散させず、集中して取り組め」

というものになります。

 

人の持つ時間やお金、体力は限られているので、

あれも、これもと手を出していると

全てが中途半端になってしまいます。

だから、自分が「これだ!」と思ったものに、

全てのエネルギーを注ぎ込んで

集中して取り組むべきだということです。

 

このエッセンシャル思考の考え方と

マッチする経営学の法則として、

「パレートの法則」が知られています。

 

別名で「80:20の法則」とも言われますが、

ビジネスで言うと、会社の事業のうち、

特定の2割の事業が会社の売上全体の

8割を生み出しているとか、

全従業員のうち、優れた2割の従業員が

会社の売上の8割を生み出している、

というような経験則による法則です。

 

エッセンシャル思考の考え方では、

この優れた2割が何かを見極めて、

その2割にエネルギーを集中させることで、

効率よく事業を成長させることができる

と考えるわけです。

 

エネルギーを集中させて効率よく働く、

という考え方だけで言えば、

誰でも意識したことがあるはずです。

しかし、実際にそれを実践できている人は

意外なほど少ないんです。

 

例えば、とても真面目でよく働いているのに、

なかなか売上が上がらないという経営者の方の

仕事の中身を見てみると、

とにかく全てのことをきっちりやろうとしていることが

非常に多いんですね。

自分に回って来た仕事を

片っ端から全部片づけようとしている。

 

一方でエッセンシャル思考の人は、

いかに仕事を減らすかを常に考えています。

自分にとって大事なものは全体の2割だ

ということを知っているから、

無駄な8割を見つけ出して、それをいかに

削いでいくかを考えているわけです。

 

この無駄な仕事を削いでいくための方法には

大きく分けて3つあります。

 

1つ目が「見極める技術」、

2つ目が「捨てる技術」、

3つ目が「しくみ化の技術」です。

 

「見極める技術」は、

自分にとって重要な2割を選抜するための方法です。

具体的には、そもそもの目標が何かを考えることです。

「エッセンシャル思考」では、見極める技術として、

次の5つを挙げています。

(1)孤独――考えるためのスペースをつくる

(2)洞察――情報の本質をつかみとる

(3)遊び――内なる子供の声を聴く

(4)睡眠――1時間の眠りが数時間分の成果

(5)選抜――もっとも厳しい基準で決める

 

「捨てる技術」は、

文字通り、無駄な8割を削ぎ落す方法です。

「エッセンシャル思考」では、次の5つを挙げています。

(1)目標――最終形を明確にする

(2)拒否――断固として上手に断る

(3)キャンセル――過去の損失を切り捨てる

(4)編集――余剰を削り、本質を取り出す

(5)線引き――境界を決めると自由になれる

 

「しくみ化の技術」は、

しくみ化することで仕事の負担を減らす技術です。

「エッセンシャル思考」では、次の7つを挙げています。

(1)バッファ――最悪の事態を想定する

(2)削減――仕事を減らし、成果を増やす

(3)前進――小さな一歩を積み重ねる

(4)習慣――本質的な行動を無意識化する

(5)集中――「今、何が重要か」を考える

(6)未来――エッセンシェル思考を生きる

(7)最終章――エッセンシャル思考のリーダーシップ

 

ここまで駆け足で紹介してきましたが、

経営者のみなさんが、このエッセンシャル思考の

考え方を取り入れて見るとすれば、

まずは、毎日のtodoリストを見直してみることから

始めてみてはいかがでしょうか。

 

まず、todoリストの中で、

もっとも重要な2割は何かを考えてみます。

そして、残った8割の中から、

やらなくてもいいものを見つけ出す。

いきなりやらなくていいものを

見つけるのが難しければ、

優先順位をつけてみてください。

その優先順位の下位の2割について、

本気で切り捨てることを考えて欲しいのです。

 

そうやって自分の仕事をエッセンシャルに

変えていく一方で、経営面でもやれることは

たくさんあります。

 

例えば、

・利益の8割を稼いでいる2割の事業に注力する

・利益の8割を稼ぐ社員にもっと働いてもらう

・利益の8割を稼ぐ2割のクライアントに注力する

・利益を生まない2割のクライアントとの取引を減らす

などです。

 

参考までに、私、岡田が実践した

切り捨てたものを紹介します。

・子会社の運営にかかる時間を8割削減

・Facebookを見ることをやめた

・メールのレスを極力やめた

・LINEのレスの8割をやめた

・外部の講演依頼を9割断るようにした

 

これらのことを実践したことで、

一時的に売上が下がったり、収入が減ったり、

周りの方に不義理をしたこともあります。

でも、エッセンシャルな経営に変化することで、

長い目で見れば必ずプラスになってきます。

 

究極的に言えば、

「捨てる勇気」を持てるかどうか。

これがエッセンシャル経営を実践できるかどうかの

分かれ目であると思います。

 

ぜひみなさんも「捨てる勇気」を持って、

まずは自分のtodoリストの中から1個でもいいので、

「これをやめるぞ」と決めて、

実行してみていただけたらと思います。

 

岡田有史