2億の会社を20億にする方法
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
弊社、銀座経営者倶楽部でご講演いただいた、
株式会社LIBの創業社長、松本洋介さんの
お話の第2回目のシェアです。
株式会社LIBは女性向けのキャリア・転職支援と、
企業向けに女性採用の支援を行う会社で、
社員数は120人、登録ユーザー18万人以上を抱える、
業界トップクラスの企業です。
創業社長の松本さんはリクルート出身で、
その後、トレンダーズ株式会社に経営参画し、
会社を成長させて株式上場を果たされた実業家です。
前回は松本さんがリクルート時代に手掛けた
ホットペッパーのビジネスから、
ビジネスとは再現性を発見するゲームだ
というお話をシェアしました。
引き続いて今回は、トレンダーズ時代のお話から、
当初、売上が2億に満たなかった会社を
どうやって20億企業に成長させたのか、
その秘訣をみなさまにシェアいたします。
トレンダーズという会社は、
女性実業家の経沢(つねざわ)香保子さんが創業した会社で、
女性向けのマーケティング事業を手掛けています。
当時から若い女性実業家の活躍が話題になって、
メディアにもたびたび取り上げられるほどでした。
会社のタイプとしては、やり手のオーナー社長が
ほとんど一人で売上を稼いでる会社だったそうです。
松本さんが経営に参画した当時は、
売上が1億を超えて2億に近づいている頃だったそうですが、 その頃になると、社員も増えてきますし、
オーナー社長が一人で切り盛りするのには限界を迎えていて、
実際、毎月相当額の赤字が出ていて、
穴埋めのために資金調達をしている状況だったといいます。
やり手の社長の剛腕で売上1億までは
行けたけれども、そこから上を目指すには
大きな変革が必要な状況だったわけです。
そこで松本さんがまず取り組んだのは、
事業内容を絞る、ということでした。
漠然と女性向けのマーケティングといっても、
マーケティングという言葉の意味は
もの凄く広いわけです。
お客様に対しても、何が得意な会社なのか、
何ができて、どんな効果が得られる会社で、
それにいくらかかるのかも説明しづらい。
だから松本さんは、マーケティングの中でも
商品開発前に行う市場のリサーチなどは外して、
作って商品をいかに流行らせて売るかという、
プロモーションのマーケティングに
事業を絞ったのだと言います。
そのプロモーションでも、4マスと呼ばれる
新聞、雑誌、テレビ、ラジオの分野では、
大手の広告代理店にはとてもかなわない。
だから、当時ネット社会でで流行し始めていた、
人気ブロガーを使った口コミプロモーションを始めたのです。
いわゆるインフルエンサー・マーケティングの
先駆けのような存在だったわけですね。
ブログの世界に目をつけたのにはもう一つ理由があって、
当時のトレンダーズで新しい事業を始めるには、
経験の浅い若い社員や、それこそ何も知らない
新入社員を使うしかないわけです。
既存のプロモーションの分野では、
経験値の高いライバル会社と勝負できない。
でも、ブログの世界という新しいジャンルなら、
それも若い人ほど詳しいネットの世界なら、
新入社員であることが逆に武器になるわけです。
とはいえ、やはり経験の浅い社員ですから、
ブログの知識だけでは仕事にならない。
そこで松本さんは、仕事のパッケージ化を行いました。
松本さんが発明した、ビジネスの再現性を高めるための
手法の一つがここでも生きてきたわけです。
インフルエンサーとなる人気ブロガーを
得意ジャンルや、どらぐらいのページビューを
持っているかによってランキング分けする。
そして、どのブロガーにいくつ記事を書かせると、
どれぐらの成果が期待できて、料金はいくらです、
といったように、商品をパッケージ化したのです。
このパッケージ化によって商品説明が容易になり、
新入社員でも売上を上げられるようになりました。
そして、誰がどのぐらい仕事の成果を挙げたのかの
評価も簡単にできるようになったといいます。
誰でもビジネスができるようになって、
それを評価することもできる。
ビジネスモデルが確立して、再現性も
飛躍的に高まったわけです。
人気ブロガーを使ったマーケティング自体は
一件数十万程度のとても小さなビジネスでしたが、
再現性があるために、確実に拡大していくことができました。
そして、規模が大きくなるにつれて、
インフルエンサーを使ったイベントなども
開けるようになって、大規模なものでは
数千万円の売上も上がるようになっていったそうです。
その結果、2億弱で止まっていた
トレンダーズの売上が20億を超えるまでに成長し、
株式上場を果たしたわけです。
パッケージ化とビジネスの再現性。
この2つのキーワードを
是非、みなさまも意識していただけたらと思います。
岡田有史