無敵状態の経営
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
6月の銀座経営者倶楽部で
講師としてお話をしていただく、
つばさグループ 社会福祉法人志真会の
天笠寛 理事長と打ち合わせをして、
大変面白いお話を聞かせていただいたので、
みなさまにシェアしたいと思います。
つばさグループは君津市を拠点として、
特別養護老人ホームやデイサービスなどの
介護事業を中心とした事業を行っています。
他にも、不動産業や飲食業、
リラクゼーション事業など、
多くの事業を多角経営されていて、
創業30年を超えて地域に根差した
活躍を続けている企業です。
天笠さんのお話を聞いていると、
本当にどの事業も順調に運営されていて、
それこそ何の事業をやっても、
その地域のトップに立ってしまうような、
無敵状態の経営になっています。
そして各事業がすべてリンクしていて、
相乗効果をもたらしていて、
すべてがうまくいっているなと感じました。
いろいろな地域で、
地元で名士と呼ばれるような、
その地域のビジネスの中心になっている方
というのがいるものですが、
天笠さんは、まさにその典型で、
君津市の経済界にとって、
なくてはならない方だなと思いました。
そんな天笠さんですが、
これまでの人生のすべてが
順風満帆であったわけではなかったといいます。
天笠さんは二十歳のときに起業されて、
最初は喫茶店を始めました。
その後、先見の明をもって介護事業に参入し、
その事業がうまくいき経営はとても順調でした。
経営が順調にいって会社も大きくなって、
地元でも名士として知られるようになりました。
そこで、仕事にも余裕がでてきたということで、
天笠さんは市会議員に立候補されて、
これに当選して、経営者と同時に
議員としても活躍されることになります。
そこまではとても順調だったのですが、
議員にやりがいを感じていた天笠さんは、
さらに活躍の場を広げるために
市長選に立候補されたのだそうです。
ところが、その市長選は落選してしまいます。
これはとてもショックで、
相当悩んだり、落ち込んだりしたそうです。
さらに悪いことは重なるもので、
市長選に落選したあと、
それまで順調そのものだった事業の経営が
急におかしくなったといいます。
運転資金が月に800万もショートして、
倒産の危機にまで陥ってしまった。
それまでは経営に苦労したことがなく、
自然にやっていたら順調にいっていたのですが、
ここで初めて天笠さんは必死になって、
経営と向き合うことになるわけです。
結局その時は、天笠さんの頑張りで、
なんとか倒産の危機を回避しましたが、
このままではいけないと思い直して、
あらためて経営の見直しを始めたそうです。
それこそ経費一つ一つから見直すとか、
新規の顧客開拓に走り回るとか。
人の意見もよく聞くようにして、
何か依頼されたら絶対に断らずに、
なんでも引き受けて全力でやるようになったそうです。
例えば介護事業なら、現場を一番知っている
ケアマネさんの話を良く聞いて、
要望には全部応えるようにしました。
そうやって、経営者としてあらためて
事業と向き合って改革を進めた結果、
無敵状態の経営に持ってくることができたわけです。
天笠さんは、後になって思えば、
あの時、市長選に落選したことが
良かったんだとおっしゃられました。
もしも市長に当選していたら、
その後の経営危機には対応できずに、
たぶん会社は倒産していただろう、と。
市長にならなかったからこそ、
経営と向き合うことができて、
いまの自分があるんだ、と。
市長選に落ちて、経営危機に陥ったことが、
自分の人生のいい意味での転機だったんだとも
おっしゃられていました。
ピンチをチャンスに変えるとか、
失敗は成功の元とか、
そういう言葉はたくさん耳にします。
でも、実際にそれを実践できた人は
そう多くはいません。
天笠さんは、まさにそれを実体験として
実践された方なんです。
本当の体験談として語られるから、
そのお話は深く身に染みます。
天笠さんは元々先見の明があって、
経営者として優れた資質を持っていた方だった。
それでも、経営危機に陥って、
ギリギリのところまで追いつめられて、
人生を懸けて立て直して、
無敵状態の今を作り出されたわけです。
今回は紹介しきれませんでしたが、
天笠さんに訪れた経営危機は、
もう一つ別のものもあったそうです。
そして、そちらも必死の努力で、
ピンチをチャンスに変える逆転の力で
乗り越えられたそうです。
そのお話は銀座経営者倶楽部の講演で
聞かせていただけると思います。
みなさまも、もしもいま、
ピンチに陥っているとか、
経営に行き詰まりを感じているとか、
仕事がつらいなと感じているならば、
是非、天笠さんのお話を聞いてみてください。
実体験としてリアリティを持って語られる
ピンチをチャンスに変えた体験談を聞けば、
きっと大きな糧になるかと思います。
岡田有史