ビジネスパートナーと圧倒的信頼を高める
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です
7月に銀座経営者俱楽部講演会にて
大山竜吾さんにご講演いただきました。
大山さんは
東京大学を卒業後公認会計士の資格を取得され
その後PEファンドにて事業再生の道へ進まれました。
のべ3ファンドと2社の経営(事業承継) をされ
いずれの会社も東証プライム企業へExitし
プロパーを次の社長にして卒業されました。
2週にわたって
その秘訣についてこのメルマガでお伝えしましたが、
その中でも特に
これは本当にすごいなぁと思ったのは、
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ファンドとの信頼関係が圧倒的だった
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ということかなと思います。
ファンドが10億円で買った会社を
大山さんが社長として経営して、
その会社が100億で売れたら、
増えた90億円のうちの2割、3割をもらう、
みたいな契約でやっていたと
仰っていたのですが
それはよくある契約だと思うのですが
例えば短期的に利益がなくなってしまった、
利益率・粗利率が26%から20%に落ちてしまった、
ということを大山さんがやっていて、
目の前のPL(損益計算書)上の利益が
出なくなってしまったりしても、
ファンドから全く怒られたり
責められたりすることはなく、
むしろ一度も怒られたことがなかったそうです。
それは大山さんの
会計士時代やファンド時代の働きぶりを見ていて、
「この人は逃げない」
「絶対結果を出す」
と信頼されていたからだと思います。
本当の意味での信頼を得ていたのではないのかな、と。
ファンドも
「短期的に儲からなくても、
大山さんがやっている限りは
いくらでも資金は投入するよ」と
本当の意味で圧倒的信頼を寄せていた。
ビジネスパートナーとして、
何かお金面で困ったことがあれば
「いくらでも、何億でも、何十億でも入れるからね」
と思われていただろうし、
大山さんも
「もう絶対大丈夫だから」と言っていた。
逆に、都合の悪いようなこと
たとえば
「ファンドにこんなこと言ったら
評価が下がるのではないか」
ということも全部包み隠さず話していたそうです。
「大事な社員が辞めた」
「裏切りがあった」など、
ありとあらゆることを嘘をつかずに共有していた。
大山さんに秘訣は何ですか?
と聞いたとき
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「嘘をつかないこと」
「本音で話すこと」
「背伸びをしないこと」
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だとセミナーでも仰っていて、
本当になるほどなと思いました。
本当に信頼できる人の条件、
本当に信頼される人がやっていることというのは、
こういうことなんだなぁと。
ファンドとの信頼関係があるからこそ、
すべてを安心して経営に専念できる。
それをすごく感じました。
他にも
「嘘をつかない」
「背伸びをしない」
と仰っていて
人からの評価をもらおうと行動しているのではなく
とにかく会社の価値を上げることだけを
ミッションとしている
ということです。
そして意外だったのは、
ファンドがとても本質的だったということ。
「必要なレベルの利益率ダウンなら全然仕方ないよ」
と言ってくれていたそうで、
本質的なことをやっていたら
一時的な数字の悪化は仕方ない、という考えだった。
我々は「ファンド」と聞くと、
ハゲタカファンドのようなイメージが強く
20〜30年前に外資系ファンドが
日本企業を買収して、
安く買って高く売るみたいな悪い印象
を持ちがちですが、実際は全く違う。
今のファンドはもっと本質的で、
ウェットで人間的で
しっかり現場と人を見ている。
会社もビジネスモデルも、
そこにいる人が良くならなければ
成立しないということを理解していて
「自分だけ儲かればいい」のではなく
「会社の人たちが幸せになる環境を作る」
「そのビジネスで世の中を良くする」
という考え方になっている。
今の時代、
そんな“ハゲタカ”のようなファンドはもう存在しないのです。
そして、ファンドとの相性も大事だと。
大山さんは
「自分が絶対に嫌なことを
ファンドがやろうとしてくるならやらない」
「相性が合わなければやらない」
と仰っていました。
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嫌なことを嫌なまま次に進めず、
お互いが本音で話せるからこそできた関係。
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そこに本当の圧倒的信頼感があるんだなと思いました。
これはもはや
人間関係やコミュニケーション能力
の領域かもしれません。
本当に大事な人と晩酌しながら心でつながり合う、
そういう関係性。
「この人は絶対大丈夫だ」
と10年単位で思われるような関係こそが、
大きな仕事を生むのだと改めて思いました。
「信頼関係」という言葉は
当たり前すぎるかもしれませんが
今一度、信頼関係を
2倍、3倍、5倍、10倍、100倍と深めて、
よりグリップした関係で仕事ができないか考える。
これはすべての仕事、
すべての経営者に通じることだと改めて感じました。
ここでお伝えできて良かったと思います。
岡田有史