ピンチの時に、マーケットが発明される

こんにちは

 

経営者マーケティング研究所

表の岡田有史(ゆうじ)です。

 

今週、弊社銀座経営者倶楽部にて

株式会社ビック・ママの守井嘉朗さんにご講演頂きます。

 

株式会社ビック・ママでは

洋服や靴・バッグ等のお直しを

店舗で受け付け、店舗または工場で

お直しを行ってお返しする

「お直しコンシェルジュ」

というサービスを展開されています。

 

210円のボタンつけから

「どんなに小さいお直しでも引き受ける」

というのをモットーに

全国100店舗近く展開し

海外展開も成功されました。

 

会社を買収したり、

上場視野に入るぐらい会社も順調で、

丸井や、主要都市の駅ビルに出店したり

大手コンビニチェーン店と提携したり、

まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進しておられます。

 

先週もお伝えしましたが、

 

「業界の中のファーストフードのポジション」

 

を見つけることにより

大成功された、

とお話しました。

 

守井社長は当初、

お父様が経営される「守井加工所」という

地元・宮城県多賀城市のスーパーの裏に小さな店舗を構え、

スーパーで販売された服のお直しをする会社から入ったそうです。

 

その後は、話し尽くせないほど

いろいろなことがあったそうです。

 

人並みの給与がもらえるようになるまで

約2年かかったそうです。

 

しかも、関西の大手衣料メーカーさんと業務提携を結び、

会社が大きくなったと思ったら、

ある日、提携を解消することになってしまった。

 

当時の売り上げの約3分の1がなくなってしまい、

どうしようかと考えさせられました。

 

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しかし、こんな時こそ、思い切るしかない

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でも、ここで守井社長は、

「じゃあ次の提携先を」とは考えませんでした。

 

過去は何か大切なことのような気がするが

そうじゃない。

 

過去は、なぞるためにあるのでなく、

未来を変えるためにある!

 

とおっしゃっています。

 

この時

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「下請けでは限界がある。

直接、エンドユーザーから受注できないか」

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と考えられたそうです。

 

そして、

その後、業界の在り方と顧客ニーズが

離れていることに着目して、

どんどん店舗展開されていきました。

 

先週もお伝えしたように、

当時の洋服の修理屋は、

敷居の高いお店がほとんどで、

 

入るときに重い扉を開けて、

いくらかかるかわからず、

職人さんに「買ったほうが安いよ」

などと言われながらお願いする状況。

 

守井社長は、それを

「もっと敷居を低くできないか?」と考え、

 

ファーストフード店のような雰囲気で、

 

カウンターの向こうに笑顔の店員さんがいたら

どうだろう?

と、ファミレスの「セントラルキッチン」

の仕組みを参考に

綺麗な店舗でお直しをもらい、

技術的に難しいものは

当社の修繕工場に運んで修理すればいい。

 

と、思い切って

仙台で、1号店を始めた結果、

その後トントン拍子に

東北を中心に事業を拡大していき、

その後どんどん東京進出し、

 

蒲田の駅ビル、渋谷の路面店、丸ビル、

横浜の地下街、渋谷の109、吉祥寺……

 

電車の窓から「ここにお店を出したい」と思っていた場所に、

どんどんお店を出し始め

全国100店舗近く

今や世界展開も図る企業として

成長されました。

 

その

創業ストーリーは

ほんと面白く

学びになります。

 

なるほど!!!

と思わせられます。

 

ここで学べることは

 

「その業界の中で

ファーストフードになるようなものを発明した」

ということ。

 

薄々みんなもしかしたら感じていたかもしれないけれど

誰も気づいてなくて言語化できていなかったもの

 

そんなマーケットを見つけ

消費者にドンピシャなものが出来上がった

発明した!!!

 

ということ。

 

そして、

次に大きな学びとなることは

 

「ピンチの時にマーケットが発明される」

ということです。

 

守井社長がおっしゃる

大手衣料メーカーさんとの業務提携の解消という

最大のピンチで

 

「新しい提携をしなきゃ」

「また違う元請けを探さなきゃ」

 

と探すのではなくて

業種を変えて川下に舵を切っていく。

 

どの業界でも聞いたことある話ですが

なかなかできない。

 

今の事業の延長に

安定がある気がするし

それを続けるべきだし

それが求められいる気がする。

 

だけど何かのピンチに陥ったなら

「それを変える合図」

だとばかりに

 

大きな転換を行う。

 

ずっと思ってたこと。

感じてたこと。

 

それを形にするきっかけにした。

 

守井社長がおっしゃる

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こんな時こそ、思い切る

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という言葉は

 

今回コロナで

多くの経営者が

ビジネスのあり方や戦略について

考えさせられたことだと思います。

 

「次の提携先を」と考えるのをやめた。

 

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ピンチこそチャンスだ

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とか

「ピンチを無理に取り返そうとしない」

 

「ピンチの時にもがかない。

それは、次のステージのサインだ」

 

と言葉ではよく言いますが、

 

このビックママの創業ヒストリーほど

それを納得させられる事例はなかなかないかと思います。

 

また、守井社長は、

「創業者は

その言動や行動の端々に

欲望が入り混じっている。

 

だから面白い」

 

「欲望が大きい人間にとって、人生は短い」

 

などとおっしゃいます。

 

その言葉に納得させられますし

本当に面白い。

 

そう思って

わたしもこの銀座経営者倶楽部講演会も

ずっと10年以上運営してきています。

 

各業界の創業者や成功者の方に

来ていただいてお話を伺ってますが

 

そのイノベーションや体験談は、

本当に心に突き刺さりますし、

圧倒的にいろんなことを感じさせられます。

 

ビックママが天下を取ったその理由は

 

「IT化 × 仕組み化」だったり、

 

3つの差別化戦略

(1小型店戦略、2接客と技術スタッフを分ける、3すそ上げ以外全て工場で行う)

 

など、業界での斬新な革新だと言えるでしょう。

   

また「業界のファーストフード店化」

や「下請けからの脱却」

「埋もれたマーケットを切り拓いた」

 

など

ビジネスモデルの転換

発明

なぜうまくいったのかの理由は

分析すればするほどそこにノウハウが

ぎっしり詰まっています。

 

でもその究極の本当の秘訣は

 

守井社長のおっしゃる

その「欲望」からくるものなんだと思います。

 

そのノウハウや秘訣は

このメルマガでお伝えできるかもしれませんが、

 

その欲望の根源みたいなものや、

創業者のエネルギー、

その世界観や空気感

みたいなものは、

 

実際お会いして

一瞬で伝わってくる何か

から感じてこそ

よし、オレもやろう!!

と思わせられると

日々思います。

 

明後日水曜の夜に銀座で開催されますので、

是非タイミング合う方は

遊びに来ていただければ幸いです。

岡田有史(ゆうじ)