ボール球を打て
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
来週の弊社銀座経営者倶楽部にて
NASAやディズニーから注文が殺到する
町工場を経営されている
HILLTOP株式会社の山本昌作さんに
ご講演頂きます。
先週に引き続き
山本さんとお打ち合わせさせて頂いた中で
とても面白いお話があったので
ぜひ皆さんにシェアさせて頂きます。
山本さん曰く
ほとんどの企業は
“自分たちのテリトリーの中”しか狙っていなくて
そのストライクゾーンに入ってくるものは
少なくとも利益が見えるのですが
外れているものにはリスクがあり
儲かるのか赤字になるのか、
先がわからない選択はみんな躊躇してしまう、と
そもそも経営者が
この「“ストライクゾーン”を守れ」と言うと
その企業は新しい分野にいけない。
ゾーンの外れたところにこそ未来がある、
と山本さんは仰っていました。
山本さんは会社を継いだ当時
「売上の8割を占めている
自動車の部品を作ることに集中しろ」
と言われていたそうです。
でも、それは大きな間違いで
残り2割の、普段あまり多くない仕事が
自分たちの未来を創るかもしれない、
だからそこを狙っていかないといけない、と。
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結局、下請けで甘んじるということは
一社依存をして楽をしている状態になってしまう
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と思い、自動車の部品の下請けを辞める、
と決めたそうです。
80%の売り上げを無くし
何度も会社が傾き、路頭に迷ったそうですが
今では2000社いる顧客のうち
一社依存率は高くても30%くらいで
「取引先を一つ失ったとしても
痛くも痒くもない」とのことです。
経営者は目の前にいる社員よりも
「お客様は神様だ」と言って
お客様の言っていることばかりを
聞いてしまいがちですが、
本当は私たちにも
お客様を選ぶ権利があり
お互いにフィフティフィフティである
必要があります。
そしてお客様をきちんと選ぶためには
自分たちが今やっていることや
向かっていくべき未来を
しっかり理解しておく必要がある、
と仰っていました。
お客様から頂く声を聞いていくと
今やっている仕事から段々外れてくることもあります。
要するにストライクゾーンから外れてくるのです。
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実は、未来の“予期せぬ成功”というのは
こういうところにあり
ストライクゾーンから外れる=新しいことにトライする
ということなのです。
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やって利益の生まれるようなものなら
誰だってやると思いますが
そうではなくて、
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「どうなるかわからないけど
ちょっと面白そうだからやってみよう」
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という、この遊び心を
山本さんはとても大切にされているそうです。
小さくても常に起業家精神を
持たなければいけない。
その仕事をやるかやらないかは
面白いと思うか、面白くないと思うか
やってみたいと思うか、思わないか、
それがとても重要だと山本さんは仰っていました。
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そして短期、中期、長期で
企業のビジョンや指針を決めておく、
何十年も先の未来をイメージしておく。
これがあるだけで
いざという時にストライクゾーンを外せるのだ、と。
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皆さんも自分がストライクゾーンを守りすぎてないか、
社員や自分がワクワクするような
ストライクゾーンの外し方を改めて考えてみると
会社や組織がよりスケールする
きっかけになるのではないかと思います。
岡田有史