出前館が飛躍した営業の秘訣とは
こんにちは
経営者マーケティング研究所
代表の岡田有史(ゆうじ)です。
5月に銀座経営者クラブでお話いただく、
出前館創業者の花蜜さんのことを
先週もこのメルマガで取り上げさせていただきました。
出前館がここまで大きくなった成功要因の一つは、
一個一個の店舗を口説いていった、
口説きの成功だと花蜜さんはおっしゃいます。
その口説きに関して、最近発売された出前館の
創業期の花蜜さんの本に書いてあります。
店舗を口説く方法は
出前館にしかできなかったし、
他に競合がどんどん出てきたけど
彼らはそこができなかったため、
出前館が盤石になって
圧倒的にスケールしたんだと思います。
何が良かったのかと言うと、
1999年に創業して6年で上場
世の中にはスマホなんてまだ発明されてなくて
当時は携帯でショートメールがちょっと
送れるようになった時代ぐらいだと思うんですね。
99.9%の人がパソコンでメールをしている時代
だからインターネットを使ってる人の大半が
パソコンを使っていた時代だと思います。
まだ店舗にはパソコンもないような時代だったんです。
そんな時にちっちゃな町の中華料理店でも
膝を突き合わせてその相手の話をよく聞き
相手が抱えてる問題や改善できること
そのお店がどうしたらよくなるかを聞き出して、
そのために自社サービスを受けてくれ、
という風に話をして伝えていったと。
そこで訴えていたのは
「中華料理店などの飲食店は
高そうなチラシのデザインを印刷して、
一生懸命ポスティングしても
見向きもされずにゴミ箱に捨てられていく
そんな不毛な時代は終わらせませんか?」
という内容でした。
「そうじゃなくて、出前館ユーザーに
【お誕生日おめでとう】メッセージを
こちらからプッシュしていけるし、
攻撃型の経費がかからないネットで全部やれるような、
そのためのきっかけを、出前館を通じてその自社のサイトで
出前館で持ちたいのです」
ということを一つずつ口説いて言ったそうです。
それがどんなサービスをしているのか伝えるのではなく
Why:なぜそれを伝えるのか
ということを伝えていったんですね。
それが今でこそ当たり前な
サイモンシネックさんという方が提唱している
ゴールデンサークル理論:
人は”何を”ではなくて”なぜ”に動かされる
という内容に繋がると思います。
以下が本書に書かれている例です。
△潰れていった同業者のトーク例
What
「今回、ネットで注文を受付できる画期的なシステム
『出前館』を創ったのです。」
How
「なんと、ネットの知識がなくても
ファックスで注文を受付できる画期的なものです。」
Why
「なぜ創ったかというと、高価なチラシを印刷して
ポスティングしては捨てられる、という不毛な時代を
終わらせたかったのです。
ぜひ一度、じっくり話を聞いていただけませんでしょうか?」
△花蜜方式
Why
「今回、高価なチラシを印刷してポスティングしては
捨てられるという不毛な時代を終わらせる
画期的なものを創ったんです。」
How
「インターネットを使うのですが、
パソコンも知識も全く入りません。」
What
「その名は『出前館』と言います。
ぜひ一度、じっくり話を聞いていただけませんでしょうか?」
花蜜さんはWhat:何を、を話すのではなく
”不毛な時代を変えようと思った
コストがかかっていたものをそうじゃなくしたい”
という、Whyを語る。
私もよくセミナーで採用の事例でお話しますが、
みんなWhatを語ってしまうんです。
”うちはお給料はこうで
このような社会保険とか入ってたり
こんな仕事をしますよ”
というWhatを語ってしまう。
何でその事業を始めたのか、という企業理由
働いている人の理由はwhyなんですね。
こういう世界を実現したいとか
自分はこんなライフスタイルを送りたいとか
こういう仕事をしたいとか
毎日こんな感情で働きたいとか
クリエイティブを仕事にしたいとか
自分の才能で殴りかかりたいとか
毎日こういう人と接客したいとか、、、、
”こういう思いなんだ!”っていうのに人は刺さるし
みんなwhyで働いているはずなんです。
だからそれを前面に打ち出さないと採用はできない
っていう話と一緒です。
そういう意味で言うと、
花蜜さんはWhatではなくwhyで語っていき
一つ一つの店舗のオーナーの顔を見て目を見て
その人の個別の相談に乗って一つ一つ親身になって
その全国何千店舗、何万店舗にして一気に天下を取っていた。
それこそが本当に出前館の一番のキーだったんだなと思います。
まとめると、
ゴールデンサークル理論でいう
”Whyを語って営業を行う”
そういうことを是非皆さん、
今一度改めて自社の営業に少し取り入れてみられてはいかがでしょうか^^
岡田有史